田舎のカウガールの話があるかと思えば、中央青果市場で働く男を描いたプロレタリア文学っぽい話まで かなり幅広いタイプの作品が収録された短編集です。面白かった短編を二つ紹介してみます。 『エルクの言葉』雪深いオハイオ州の山小 […]
月: 2021年9月
『牝猫』 コレット
読んでおきたいと思っていた猫愛小説の代表作。 お坊ちゃんの美男子アランと都会娘カミーユは新婚夫妻。でもアランは自分の飼い猫のサアに首っ丈で、新妻のカミーユは次第に猫に嫉妬し始めます。この構図は谷崎潤一郎の『猫と庄造と二人 […]
『異次元を覗く家』 ウィリアム・ホープ・ホジスン
以前読んだ海洋ホラー『夜の声』の作者の長編です。 アイルランドの荒野に建つ古城の廃墟から見つかった、異常な内容の手記を紹介する、という形式の物語になっています。手記を書いたのはかつてその城を購入し、妹と一緒に隠遁していた […]