一年に一回くらい、ヘンなSF短編が無性に読みたくなる時期があって、ラファティの短編はそういう症状の時に最適です。科学的整合性とかそういうのを抜きにした奇想というか、サイエンスじゃないけどSF、みたいな、そういう短編。
星新一のショートショートにもラファティ作品と同様の薬効があります。
この短編集で一番印象的だったのは『このすばらしい死骸』。
超高性能のコンピューターが人間に反乱するという、ありふれたフランケンシュタイン・コンプレックスの構図をとてつもなくヘンな形に捻じ曲げてあって、『あれ? このコンピューターってフランケンシュタインの怪物じゃなくて×××××だったのか』と妙に納得させられるオチがついています。
変わったSFを求めている人はぜひ一読を。