『猫とともに去りぬ』ロダーリ

ファンタジー好きの人にとっては『ファンタジーの文法』の著者として知られているロダーリの作品集です。収録作は一般的なファンタジーというより、皮肉の効いた大人の童話といった感じの作品が多いです。イタリアを舞台としている話が多いのも特徴でしょうか。

一番面白かったのは『カルちゃん、カルロ、カルちゃん あるいは、赤ん坊の悪い癖を矯正するには……』という短編(それにしても題名長い)。ラファティ『カミロイ人の初等教育』の逆の話、といえばいいでしょうか。超天才、しかもテレパシーやテレキネシスまで使える赤ん坊が生まれてきて、それを気味悪く思った両親や周囲の大人が赤ん坊を徹底的に〝凡人〟に教育する話です。
教育制度の矛盾を皮肉たっぷりに衝いている話で、興味深く読まされました。
(2007/03/18)
猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)
猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)

投稿者: shirone_koma

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