キャンプ場がにぎわう自然豊かな湖に出現した、水面を這う奇怪な七色の色彩。それに気づいた老学者二人は、その正体を突き止めようとします。
そのうちに奇妙な病気が湖周辺で蔓延し、行方不明者も発生して……。
本作はラヴクラフトの『異次元の色彩』へのオマージュ作品なのですが、実際は『吸血鬼ドラキュラ』を髣髴とさせる怪物vs老人のバトル小説という印象が強いです。
クトゥルー物にありがちなグロテスクな過剰表現があまりなくスピード感のあるスマートな文章で、どちらかというと映像作品にした方が面白そうな感じがします。
人間が空から降りそそぐ最後のシーンなんかはかなり印象的な画が描けそうなんですが……。
(2008/03/09)