ちくま文庫の柳瀬尚紀訳と同じく、中高生以上の読者を想定した訳になっています。 巻末に『※読後感をまとめよう』といった国語の問題みたいなものが付いているのがご愛嬌。
この本のアリスの性格はかなりツンツン。なかなか特徴的です。
『だれもあなたの意見を聞いてやしないわ』(ふざけたことを言う帽子屋への返事。“あなた”に傍点まで付いている)
『そんなものないわよ!』(糖蜜井戸の話を聞いて)
『安っぽい贈り物だわ!』『お誕生日の贈り物があんなのでなくてよかったわ!』(公爵夫人に『ためになる格言』を贈られて)
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さて、この文庫(旺文社版)の表紙は有名なテニエル画ですが、なぜかアリスの服が赤色で塗ってあります(カバーデザインは小宮山逢邦という人)。赤服のアリスは日本だけの進化系じゃないかと考えていたんですが、この本も一つの有力な資料かもしれません。 (2008/09/07)