『牝猫』 コレット

読んでおきたいと思っていた猫愛小説の代表作。

お坊ちゃんの美男子アランと都会娘カミーユは新婚夫妻。でもアランは自分の飼い猫のサアに首っ丈で、新妻のカミーユは次第に猫に嫉妬し始めます。
この構図は谷崎潤一郎の『猫と庄造と二人のおんな』とそっくりなのですが、それぞれ大きく違った味わいの話になっているのが興味深いです。

牝猫を介して女性の本性があらわになっていく、というのは『牝猫』も『猫と庄造…』も同じなのですが、『猫と庄造…』の品子が結局根は憎めない女性であることが分かるのに対して、『牝猫』のカミーユは作中でアランが幻滅しているように、読者の私も幻滅するような部分を垣間見せます。

序盤~中盤のカミーユが萌えラノベもかくや思ってしまうくらい「ちょっと子供っぽいお転婆なお嬢さん」といった雰囲気をかもし出しているだけに、余計に落差を感じます。

ただ、カミーユの言っていることもそれはそれで理解できなくも無いわけで・・・。読者の私が猫のサアに心を寄せているせいで、カミーユが悪いように見えるのかもしれません。

それにしても、犬愛小説では犬を人間的に愛するとき「子供」とみなすことが多いのに対して猫愛小説は「恋人」とみなして愛する傾向があるように感じます。
(アランがサアにかける言葉はほとんど女性を口説いてるみたいだし)


(2008/02/09)

投稿者: shirone_koma

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